『世界一ずる賢い価格戦略』から学ぶ価格決定のテクニック

bps2本日のテキスト『世界一ずる賢い価格戦略』

著者:ダン・ケネディ&ジェイソン・マーズ
評価:5/5点
◆ウンと高い価格を設定しよう!
◆文句を言われる値上げろ文句を言われない値上げ
◆価値とは、消費者の感情が元になって生み出される
※以下、『世界一ずる賢い価格戦略』を「テキスト」と呼びます。

◆ウンと高い価格を設定しよう!
あなたがもし、自分の商品にウンと高い価格を設定できないとしたら、それは商品に問題があります。売っているものがポンコツだから、せめて価格は普通程度でないと……と思ってしまうのです。そうだとしたら、マーケティングがどうのという話の前に、商品をまともにする必要があります。
商品がまともでなければ、クチコミも発生しなければ、リピーターも発生しません。ウンと高い価格を設定したところで、返品とクレームの山が待っているだけです。
物を売るなら、いつだって自分の商品に自分を持つことです!
そして、自信のある商品にするまで商品を改良しつづけることです。市場に出すのはそれからでもいいのです。
スピードはたしかに重要ですが、自信のない商品を売ることはここぞの場面でどうしても腰がひけてしまいます。
あなたは、「本当にそれはいい商品ですか?」とお客さんが不安そうに聞いてきたら、自信をもって「そうです!」と答えられますか?

◆文句を言われる値上げろ文句を言われない値上げ
テキスト250頁参照。
ある眼科医が診察料を値上げをしたら、お客さんから抗議の声が届きました。
ところが、今度は別の方法で値上げをしたら誰ひとり文句を言わなかった。
その方法というのは、提示する価格の中に、診察料、送料、レンズが壊れたときの保証料……を含めたわけです。

つまり、ちまちま値上げして、これにxx円かかるからxx円追加ね、と逐一書いておくと、お客さんは「なるほど、そんなものか」と納得してしまうわけです。
先日、私が海外旅行の広告を見ていると、ずいぶんと安いなあと思って思わずクリックすると、安いのは旅費だけで、オイル交換代が別になっているのです。それを友人に話したところ、「普通そうだよ、知らなかったの?」と言われてしまいました。たしかに、私は自分のお金で海外旅行をしたことがありませんから、何も知りませんでした。それにしても信じられません。それなら、タクシーも初乗100円にして、それとは別にガソリン代を1300円請求することだってできそうです!
このように、「飛行機にはオイルが必要なんです。いまオイルが高いから今月は1400円ね」という論法がまかり通ってしまうのです。
その身近な例を出しましょう。
ダイレクト出版のキャンペーンで、書籍が最初の30日であれば、いかなる理由であろうと返金してくれるというサービスがありますね。
ところが、送料だけは負担しなくてはいけません。この送料が550円。――地味に高くないですか? 書籍1冊ですよ? メール便なら2センチ規格だとしても280円で送れます。
これには送料550円、返すときの送料はお客様負担だからさらに500円程度。3900円の本を買って、1000円の費用が返すのにかかるコストか、それなら手元においておいたほうがいいかなと思います。
それだけでなく、普通に買った人も送料550円がかかるわけですから、3900円の本がアッという間に500円値上げされて4400円に変身しているのです!
いいですか、これは本なんですよ。1500円の本だって高いのに、それがよくわからない理由で500円も値上げされていたら、大クレームです。ところが、このダイレクト出版という会社は、あたかも情報商材のように本を売り、「3900円だよ?安いっしょ」と販売し、さらに、「送料」という名目で500円もとっているのです!(それでも商品がいいから別にいいけど)

例えば、あなたが出張マッサージをやっていたら、「60分3900円!」と安さをウリにしながらも、「出張費:1500円」という風に値上げをすることもできます。現にマッサージ店では、シーツ代、着替え代、洗濯代という名目で200円、300円と追加されることが珍しくありません。初めてのお客様であれば、「なるほど、そんなものなのか」と納得してしまいます。
男性がよく行くサービス付き銭湯では、なんと提示された入浴料が3万円なのに、サービス料もさらに3万円とるというではありませんか!

例えば、どこか会場を借りて、イベントをやるとします。セミナーでもいいですね。
そのときに、申し訳なさそうに「会場費として別途315円頂いております」というのです。来たお客さんは「まあそんなものか」と思って払います。
占いのイベントでは、こじんまりとしたものが多く、別途飲食料がかかることがあります。出されている飲み物といえば、紙コップに2リットルのウーロン茶です。思わず声を荒げたくなります。「おいおい、これうちの近所の薬局で198円で売ってるやつやんけ!!」――お客さんは私のように朝から晩までお金のことを考えている人ではありません。200円くれと言われたら200円支払ういい人ばかりです。私たちも、ふてぶてしく、「200円おくれ」と追徴しようではありませんか。これが50人もいたら、もう1万円の儲けです!

◆価値とは、消費者の感情が元になって生み出される

同じサービスが2つあります。例えばマッサージだとしましょう。腕は同じです。というか施術者が同じだとしましょうか。
片方は、60分2980円。もう片方は60分9800円。
2980円のほうは、街の片隅でやっています。もう片方はリッツカールトンホテルの中でやっています。
リッツカールトンの中でやっていて60分9800円ならずいぶんと安い感じがします。
普段はケチな私でも行ってしまいそうです。なぜって?
だって、「こないだリッツカールトンのマッサージに行ってきたんだけどさ、、」って言いたいじゃない?「リッツカールトンなう」ってツイッターに投稿したいじゃない。FBでわざとらしく現在地と一緒に投稿したいじゃない!
つまり、お客さんは、マッサージをするとき、必ずしもマッサージだけに価格を支払う価値を見出しているわけではないということです。
美容師がとびっきり素敵な人であれば、もう1000円や2000円追加したって構わない!そんな人だってたくさんいます。美容院でシャンプーを別料金にしているところが多いのですが、私は必ずシャンプーをつけています。シャンプーをされたいのではありません。シャンプーをつけるとマッサージをしてもらえるのです。そのマッサージはほんの2分ばかりのものです。それなのに私は追加2000円くらい支払っているのです。美容院に行くときはリラックスがしたいのです。だから、多少高くてもマッサージをつけてしまいます。また、私は美容院に行くときは、財布の中の金額にかかわらず、銀行から2万円おろしてからいきます、美容費は別勘定だからです。このように、価値とは、消費者の感情が元になって生み出されるものであって、それはつまり、必ずしもお客様は安ければいい、割引であれば喜んでもらえるということを意味しないということです。

ブランドの財布を持っていると、「その財布いくらなの?」と聞かれます。消費者も私の財布はxx万円もした!と思っています。私はエルメスの30万円の財布を使っていますが、買うときに24万円で似たような財布がありました。私には、はっきり言って違いがよくわかりませんでしたが、どうせ高額商品を買うんだから、価格を切り上げてしまおうと30万円のものを買いました。もっといえば、エルメスの財布を買う時に、「その財布いくらなの?」と聞かれたときに24万というよりは30万といったほうがすごいなと思ったのです。
普段コーヒーに250円払うのが嫌で、スタバがあってもドトールを探す私が違いがよくわからないうえに、6万円も差があるものをいとも簡単に買ってしまうのです。もしかしたら、その財布は同じものだったかもしれません!(エルメスはそういうことをしないと信じてしますが)
そして、家に帰ったあとで見る、オレンジ色のなんと眩しいこと!みかんをいくらみたってこんなに興奮しません。エルメスのオレンジだから興奮するのです。もし、このみかん色の箱が、レシートに「みかん色の箱代:1980円」と記載されていたところで誰一人文句を言ったりはしないでしょう。それどころか、「もっとオレンジ色の箱は4980円です」と言われていたら、きっとそっちを選んでいます!

ややブランドの話になってしまいました。
ブランドについては、同じくダンケネディが書籍を出していますのでそちらも読まれるといいでしょう。

◆値引きには理由がいる
とはいえ、コモディティ化されたものを販売するのであれば、やはり値引きは強力です。
値引きをするときは、理由が絶対に必要です。
ただ、やみくもにxx円セール!としたのでは、ただ値引きをする会社なのだと思われておわりです。
冬物在庫一掃処分とか、平日の枠が余っているので、平日はxx円引きだとか、なんでもいいので理由が必要です。
一番いいのはアウトレット風に、弊社の超一流の商品を扱うにあたってはじかれたものなので、安く販売します、みたいな感じだと一番いいでしょう。
「ええっ、これを!もったいない!」と言って、わんさか人がワゴンに押し寄せる光景が見えてきそうです。

『世界一ずる賢い価格戦略』ダイレクト出版の販売サイトより……


ほとんどの社長・起業家は自分の商品の適正な価格を知りません。そして、今は決して景気がよくないので、「不景気だから安くしないと売れない」と考え、値引き合戦をしてしまいます。値引きは麻薬のようなもので、その時は、気分がよくハイになることができます。しかし、麻薬が切れると、、、また値引きしなければ売上がたたない・・・という負のスパイラルを作ってしまいます。

この「世界一ズル賢い価格戦略」のメインのテーマはいかに「儲かる価格設定」をするか。いかに、あなたの商品を本来の価値の価格で売るか?ということです。そして、それらを理論や理屈ではなく、著者ダン・ケネディ自身の実体験やクライアントの実体験に基いて書かれたのがこの本です。なので、効果実証済み。極めて実用的な価格戦略の本だと言えます。

思い浮かべてみてください。長期的に利益を出し続けている優良企業はみんな、安売りなんてしていません。「ブランド」と呼ばれるように競合他社よりも、高い価格で質の高いサービスを提供しているところがほとんどです。

もしあなたの商品を今の価格よりも、高い価格で売ることができれば、ビジネスは生まれかわります。利益は何倍にもなるでしょう。それを自分の収入としてもいいし、その分、広告費などにも投資してもっと事業を拡大してもいいでしょう。いずれにせよ、今より高い価格であなたの商品/サービスを売ることができれば、やっていることは全く同じでも、ビジネスは生まれ変わります。
「ビジネスは価格に生きて価格で死ぬ」
これは著者の言葉です。もしあなたが、自分の商品・サービスをもっと高い価格、本来の価値の分の価格で売りたいと思うなら、この本は必読です。この一冊を本棚に入れておけばいざ、商品の価格を決めるときに間違いなくあなたのビジネスにとって、とても強力な武器になることでしょう。

今日の書籍:『世界一ずる賢い価格戦略』
評価:5/5点

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